iker's blog

気ままに更新

ウラジオストクマラソンに出てみよう<その2:レース編>

事前準備に関連する記事はこちらです。

後編はレースについて、時系列で注意点などを書いてみました。

 レース前

シャトルバス

シャトルバスは受付会場の中央広場から出ます。時間は6時から8時で、フルのスタート地点までおよそ30分でした。バスはフルもハーフも5kmも一緒のバスです。バスに乗り込んだ後、英語で最初のストップが5km、次のストップがフル、最後がハーフとのアナウンスがありましたがこれは要注意です。スタート時間がバラバラのため、私のバスには5kmの人がいませんでしたので、最初のストップがフルのスタート地点でした。私は仲良くなったロシアの方に教えてもらいましたが、「私は42kmなんだけど」とアピールして周りに聞いた方が良いです。アナウンスが無かったという体験談もありますので、いずれにせよアピールが大事です。

スタート地点

2017年はDNSを除いたフルの参加者が220人だったため、スタート地点の混乱はほぼ皆無でした。したがって時間を持て余しました。私はレジャーシートがあったので座って時間をつぶせました。レジャーシートはお勧めアイテムです。

仮設トイレは合計5基だったため、最後の方は少し列が伸びました。残念ながら手洗い場がなかったため、私は給水の水を手洗いに使いました。

荷物は受付で渡された布のバッグに入れるよう指定されていますが、それを守っていない人も見受けられました。荷物預かりのトラック前に荷物を持っていくと、荷物にラベルが貼られ、自分のゼッケンにも同じ番号のラベルが貼られます。当初ラベルは事前配布となっていましたが、現地対応でした。人数が少なくみんなが早く荷物を預けるので、早目(少なくとも20分前)に締め切られました。

レース

スタート

5分前くらいまで変な踊りのような体操をやっててゆるい感じです。

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一応ブロックはありますが、管理は適当です。そもそもブロックの立て札の間隔がかなり狭いのでほとんど意味がないです。220人が4ブロックですから・・・

スタートは9:00ちょうどだと思っていましたが、9時04分50秒くらいでした(笑)また、スタート前に練習したのか暴発したのかピストルが突然鳴って「えっ?」となりました。そしてスタート本番ではピストルは鳴りませんでした(笑)

スタート直後から混雑がまったくなく快適に走れますが、最初が下りなのでスピードの出し過ぎに要注意です。

前半

前半はルースキー島を走ります。ひたすら森の間を貫く大きな道路を走り、たまに軍や大学の大きな施設があるという感じです。一般の住宅はありません。アップダウンは一つ一つは大きくないものの結構あります。

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応援者はほぼ皆無です。

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軍人さんや見習いの生徒がよく歩いていますが、勿論応援はありません・・・

7km地点くらいでハーフのスタート待ちの方とスタッフに熱い応援を受けますが、そこを過ぎると再び静かになります。なにせ参加者が少ないため、ハーフの参加者をキャッチするまでは孤独な戦いが続きます。

ロシアではフルに挑戦するのは本気の人で、それ以外の人はハーフに出るようです。したがってゆっくり完走できれば良いやという人は同じペースの人が少ないため、特に孤独を味わいます。またコースの案内も少ないため、コースアウトの危険性もあります。2017年大会ではサブファイブの方でもコースアウトしそうになったと言っていました。

後半

サブフォーくらいのペースだと、ハーフの後ろのランナーを次々捉えていくこととなります。ハーフの後ろは初心者が多く、給水で止まる人が多いので注意しましょう。

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30kmポイントを含む長さ3,100mのルースキー島連絡橋がこの大会のハイライトのひとつなのですが、まずここに来るまでにアップダウンで足を使います。景色を楽しみながら一気に下ると、ここから最もハードなアップダウン区間が続きます。30kmで足が残っていないと残りは歩く羽目になります。

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最後の大きな橋、金角湾横断橋を渡ると、今度は急傾斜の下りとなります。足を使った中での下りですので、これも注意が必要です。

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一部隣を走るケーブルカーのこの傾斜に近い部分もあります。これを下りきるとあとはほぼ平坦です。

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ゴール地点は街のメイン通りとも呼べるところなので、人はたくさんいます。が、あまりマラソンには興味が無いらしく、応援はしてもらえません( ;∀;)ゴールに到達するとようやくスタッフの温かい拍手に包まれます。

ゴール

ゴールすると、42.195kmではなく、42.2kmのメダルが貰えます。これは貴重ですね(笑)

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荷物預かりのテントの横では軍人さんが食事を振る舞ってくれています。軍では定番のカーシャというものです。私は残念ながらいただけませんでしたが、軍の炊き出しは特に美味しいそうです。

レース全般

コース

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GPSデータからルートラボで作成した大まかな高低差です。これは実際よりギザギザが細かすぎるように思いますが、このマラソン最大の特徴はとにかく高低差にあります。ウラジオストクは坂の街なのです。中心部の一部が平坦ですが、他はどこに行っても坂が有ります。マラソンコースも例外ではありません。

上の図を見ると後半、特に30kmを過ぎてからの山ははっきりしているのがわかります。30km過ぎからの坂はひとつひとつの高低差も大きく距離も長いため難易度が増しています。

給水

給水はたっぷりありますがスポーツドリンクがめちゃめちゃ薄いです。また、給食はバナナが前半から用意されています。水と同じカップにレーズンが入っていたということもあったようですので、注意ください。

2017年大会のエイドの位置は以下の通りです。5km, 10km, 14km, 18km, 23km, 28km, 34km, 36km, 39km, 41km。

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給水ボランティアはとても献身的で、水やスポンジを持ってきて手渡してくれます。

ペースメーカー

サブ3.5、サブ4、サブ4.5のペースメーカーがいます。サブ3.5のペースメーカーはペースが乱れがちで最終的にサブ3.5を逃していました。

気候

 2017年大会は、夜中に激しい雷雨がありましたが、スタート時はスカッと晴れて、寒さは全くありませんでした。レース中盤~後半は暑さとの戦いでした。天気予報に関しては体感的にtenki.jpの予報がほぼ正しかったです。風はありましたが弱かったです。

レベル

トップが2時間24分ですが、平坦なら2時間20分を切るタイムでしょう。賞金も出るのでトップのレベルは高いです。サブスリーは10人もいないので、サブスリーをすればトップ10です。

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こちらが2017年大会のタイムの分布です。タフなコースでしたがサブファイブの率が高いです。ある程度のシリアスランナーが多いように感じましたが、データからもそれがわかります。

総括

私の結論から言うと、お勧めの大会です。お勧めのポイントをまとめると以下になります。

  • 日本から近いのに異文化の中でのマラソンが楽しめる
  • 橋の上からの景色がとても綺麗
  • 9月開催だが危険な暑さになる確率が低い
  • 人数が少ないおかげで混乱がなく、サービスも行き届く

ただし以下のマイナスポイントがあります。

  • アップダウンがきつい
  • 沿道に人がほぼおらず、いても応援してくれる人はいない
  • ランナーも少ないため単独走となる区間もある

2017年大会は、日本人参加者がフルとハーフを合わせてわずか12名でした。とても良い大会だと思いますので、これが参加を検討する際の一助になれば幸いです。

今回の記事を書くにあたって、2017年大会に参加した方々に推敲、情報提供、写真の提供をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。