iker's blog

気ままに更新

one tree hill

俺が唯一行ったことのある南半球の国がニュージーランド
高校2年のときだから、もう10年も前になる。交換留学で、オークランドに1ヶ月ほど滞在した。
断片的にいろんな記憶が残っているのだが、オークランドで一番印象に残っていたのが表題のone tree hill
その名の通り一本の木が立った丘なのだが、つい最近googleマップストリートビューという機能で、10年ぶりにその場所を見てびっくりした。
none tree hill(木のない丘)になっていたのだ。


ストリートビューの画像


木が立っていた時のone tree hill
現在のone tree hill


英語版のwikipediaによると、俺がNZに行った2年後の2000年に木がなくなったようだ。
原因は、NZの原住民であるマオリの活動家が切り倒しにかかったためで、調べると諸説あるが、wikipediaによると、2000年の2度目の攻撃が致命傷となったようだ。


オークランドはNZ最大の都市ではあるが、高い建物があるのはほんの一部で、とてものどかである。標高180m程度のone tree hillも、オークランドの様々な場所から見ることができる。
オークランドの象徴のような場所であった。象徴の場所の象徴である木がなくなったということを知って、少なからずショックを受けた。
俺が行った当時もマオリの人による切り倒し未遂があったようで、ホストファミリーのお兄さんが「理由はよく分からない」と話していた。
今回理由を色々調べてみると、そこには複雑な歴史的背景があった。
もともとone tree hillはイギリス人との戦いにおいて、マオリの人々の砦となっていたため、そこに立てられたモニュメントはマオリの人々にとっては白人による侵略の証と見られていた。
また、木自体もNZにもともとあったものではない外来種(松なのだそうだが)とのことで、やはりマオリの人には受け入れがたかったようだ。


NZに行ったあと、とても緑が綺麗だったといった自分に対し、父が、それは入植者達が森を切り倒して牧草地にしたからだと教えてくれた。
無知は罪であるとよく言うが、one tree hillにまつわる話を10年も知らなかったということも罪なのかも知れない。
木がなくなって残念だ。そんな単純なことではなかった・・・


高校時代は大っ嫌いだった歴史。今は好きになった。
もっともっと、過去のことを知らなければいけない。