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気ままに更新

スリランカのコロンボマラソンに出てみよう<その2>

その1はこちら

スタート

スタート地点で見つかるか心配だった荷物預かりの車は、スタッフに聞いたらすぐわかった。仮設トイレは見た感じ3基ほどであったが、日本の大会ほど混んでおらず、30分前なのにほぼ待たずに入れた。

スタートは5km、10km、ハーフ、フルと全て同時である。ここで重要なのが、ゼッケンのチェックである。この大会はなにせチップがない。スタート地点でしっかりゼッケンをチェックしてもらわないと、失格の可能性すらある。"full marathon men"と叫びながらチェックするスタッフを必ず見つける必要がある。なお、不正を防ぐためコースの途中にもチェックのスタッフがいる。
スタートはやはり6:00ぴったりではなく、カウントダウンもなく、偉い人の紹介が終わって気を抜いた瞬間に突然「パン」。その様子がこちら。まるで競馬のようだ。

幸いスタート地点の幅は広いため、そこまでの混乱はない。しかし、5kmに出る子供達はメチャクチャなペースで走り出し、すぐに歩き出す。惑わされないようにすることが大切だ。


前半~中盤

スタートからしばらくは交通規制があるが、それもきっちりは行っていないため、ランナーの隣をトゥクトゥクが追い抜いていったりする。
5km、10kmと過ぎるとほぼ交通規制はなくなる。陸橋がある以外は平坦だが、路面の状態は悪い上、前日の大雨のせいで水溜まりが多い。
事前の情報通り、補給は水のみ。ただ、ありがたい事にペットボトルをくれるため、時間をかけながら量を飲むことができる。ペットボトルは5km地点から5kmごと、スポンジは7.5kmから5kmごとにある。
この日は前日の大雨から天気は回復したが、湿度と気温は朝から高かった。すぐに全身が汗で覆われた。暑さのせいかペースが上がらないが、私は補給食も携帯しなかったため無理に上げずに余力を持って走った。
ハーフを過ぎるといよいよ孤独との戦いである。まずサブ3.5くらいのペースだとランナーはまばらでほぼ順位変動がない。

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地元の人は何人か応援してくれる人はいても、基本的に無関心である。使い終わったスポンジを投げるとそれを拾うことには気が向くが、ランナーに声をかける人はかなりの少数派だ。

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優勝したJames Tallam選手の力強い走りすら、誰も見ていなかったようだ。
怖い思いをしたのは犬である。勿論リードに繋がれていないため、私も2度ほど吠えられた。一度は噛まれるかと思った。

後半

35kmを過ぎてからも、私は前半余力を残しておいたおかげでイーブンペースを保てた。暑さで脚が完全に止まったり、スピードが極端に落ちた選手を捉えるようになった。勿論こちらとて精神的にも体力的にも本当に厳しく、余力はなかった。
ゴールに向けては人口が多いところを通るため、人の横断やら車やトゥクトゥクに更に神経をとがらせる必要があった。

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この国では歩行者の地位がとても低い。ランナーだろうと容赦なくクラクションを鳴らされる。ただ、この国のクラクションの意味合いは恐らく日本とは違う。普段からしょっちゅう鳴らしまくるためあまり気にする必要はないのだろう。
歩行者、車、トゥクトゥクに気をつけていたら、苦しいところで自転車青年が登場。興味を持って話しかけてくれたのだが、ありがた迷惑で困った。どこから来たの?あなたがトップ?水を持ってこようか?いや、ありがたいが頼むから喋らせないでほしい。
40kmからは市街地に入るが、他にランナーがいないため、コースが合っているかの不安も出てくる。基本的に案内がなければ道なりに太い道を進むのが正しい。

ゴール

やっとの思いで最後の角を折れると、多くの人から拍手が。ゴールテープを切ると、コースに一礼する間もなくスタッフに抱えられてレスト用のマットへ。タイムは3:20:59。あれ?スタッフの誘導があるということはこのタイムなのに私入賞した?と思ったら男子28番とのカードを渡された。何番手であろうと、フィニッシャーは手厚くもてなしを受けるようだ。靴紐を緩めてくれて飲み物を持ってきてもらった。
なお、Tシャツとメダルはこの時点では貰えない。11時半からのセレモニーでもらえると説明を受けた。私はホテルに戻る必要があったため、これは諦めるしかないと考えたが、最終的に先に貰うことができた。記録証も出るが、チップがないため手書きである。私は記録を入れてもらわなかったが、同じ宿のインド人は自分で申告したタイムを書いてもらっていた。これもこの大会ならではだ。

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コースはほぼ北に42kmのワンウェイだが、帰りの送迎はない。スタート地点近くに宿をとった私は、PickMeというスリランカUBERで高速代込み約2400ルピー(約1600円)で1時間強かけて戻った。
ゴール後に地元のランナーからは、「ゴール地点のネゴンボにも宿がたくさんあるため、宿のシャワーを借りれば良いのではないか」と言われた。確かにもう一泊できるなら、セレモニーにも出て海沿いの宿で一泊というのが良いのかもしれない。また、一泊しなくてもシャワーと着替えをさせてくれという交渉を事前にしておくというのも一つのアイデアだろう。ネゴンボであればコロンボ市街より空港にも近い。

総括とアドバイス

様々な面で厳しい大会だったが、水だけであの暑さの中、そして他のランナーがほとんど見えない中、イーブンペースでフルを走りきれたというのは自信になった。こんな体験はなかなかできないだろう。私は個人的に海外マラソンには異文化を感じながらも、「走る」という共通の言語で繋がっていることに面白さを感じている。従って今回の体験も行き届いていない部分も含めて、最終的に異文化を感じながら世界各地のランナーと走れてとても楽しめた。
異文化といえば、裸足ランナーの確率の高さにも驚かされた。女子ではトップ10の賞金圏に裸足ランナーが入っていた。

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私の結論として、海外マラソンが好きな方にはこの大会を是非お勧めしたい。今後出られる方のために私からのアドバイスは以下の通りである。
 
  1. スリランカは英語がほぼ通じるので、わからないことは積極的に事務局にメールで問い合わせるなり、オフィシャルのFacebookに聞くなりしたほうが良い。
  2. お金を持って走る方が良い。私は結局使わなかったが、途中でバナナを買って食べるのはハンガーノックを防ぐ有効な手段だと思う。
  3. 私のように水以外補給無しで臨む覚悟であれば、朝食前の30km走などで脂肪だけをエネルギー源として走る練習をしておくのが有効だと思う。
  4. 雨のレースを覚悟すべし。私は幸いレース中に降られなかったが、前日とレース日の夕方は雨に見舞われた。
 
今回の記事では、コロンボラソンの事務局から、フォトギャラリーの素材の使用許可を頂いた。寛大な対応に感謝申し上げたい。
決して割合は高くなかったが沿道で応援してくれた地元の人、厳しい大会を一緒に走ったランナー仲間、ボランティアなどこの大会に関わったすべての方にも感謝申し上げたい。
そして何より安全な環境でマラソンができるようになったことに感謝したい。タミル人や他の少数派の人種にとっては望んだ形の社会ではなかったかもしれないが、これからも普通にマラソンを楽しめる平和な社会が続くことを祈りたい。

スリランカのコロンボマラソンに出てみよう<その1>

スリランカコロンボラソンに参加したのだが、なかなか日本の大会ではできないような刺激的な体験ができたので、今後参加される方のためにレビューを記しておきたい。

 

きっかけ

スリランカで走ると話をすると、なぜスリランカなのかというのをよく聞かれる。もともと学校の授業の中で地理が大好きだったのだが、スリランカというのは内戦が続いている国として認識していた。内戦が終結したことで少しずつ興味が出て、READYFORというクラウドファンディングを通じてスリランカの支援に参加したりもしていた。ただ、自分が行くということはあまり想像していなかった。
このところ海外マラソンにハマりつつあるのだが、春先にふと10月の3連休を利用して参加できるマラソン大会はないかと見ていた時、見つけてしまったのだ。調べて見るとエアアジアを使えばそこまでフライトも高くないと分かり、ほぼ即決だった。

エントリー

この大会の特徴はとにかく情報が不足しているということに尽きる。まず、エントリーが何度フォームに入力しても受け付けられなかった。仕方ないので問い合わせのメールを送ると、エントリーに必要な情報を教えてくれと返信が来た。そこに返信すると、あっさりエントリーを受け付けてくれた。この時点で送られてきたのは、健康診断書のPDFフォームだけである。支払いすらなしだ。結局最後までこれ以上の情報が送られてくることはなかった。
レギュレーションは勿論、給水などの情報も皆無。受け付けに関しては前日9:00〜16:00にMinistry of Sportsで行うとのみ書かれていた。コースもgoogle mapを画像化したものだけ。ほぼ情報がないまま現地入りすることとなった。

前日受付

ネタバラシをすると、コロンボラソンはとても試練が多い大会である。前日受付も例外ではない。まずMinistry of Sportsの住所が分からない。一応googleで調べて出てきたMinistry of Sportsの住所に行ってみると、「ここではない、あっちだ」と指示された。ランナーっぽい人も何人かいたのでついていくと、それっぽいテントが見えてきた。場所はマクドナルドとロイヤル・カレッジ・コロンボの間くらいの駐車場だった。

 

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健康診断書も準備しているし、さっさと終わらせて観光だなどと考えていたが、甘くはなかった。受け付けの奥にメディカルチェックのテントがあり、そこに向かうようにと指示をされたが、私は事前に送られたPDFの健康診断書に記入したものを持ってきている。それをスタッフに説明すると、これは駄目だ、ここで受けなさいと。いや、事務局から送られてきたものにちゃんと記載したのにそれが駄目とはどういうことだと抗議するも、勿論受け入れられず。結局メディカルチェックのテントで血圧、心拍、身長、体重、心電図、問診と受けさせられた。しかし身長体重は靴を履いて、リュックを背負って測ったのでほぼ意味なし。問診も聴診器を使うわけでもなく、ただ質問に答えるだけ。でもこの問診のドクターが2人(途中から1人増員)しかおらず、ここで大渋滞。勿論並んでいても順番待ちの秩序はない。

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ようやくドクターのサイン入りの問診票を得て、支払いカウンターへ。この大会は支払いも当日なのだ。フルは8500ルピー(約6000円)だが、カードも使えた。なおスリランカ人は500ルピーのため、1/17だ。なんという外国人差別!レシートと健康診断書を持って、ようやくゼッケン受け取りへ。ここでもスタッフから「このドクターのサインは本物か?」と。もう怒りを通り越して笑いたくなった。受け取ったゼッケンは化繊の布切れ2枚。チップはない。これもこの大会の特徴だ。Tシャツのサイズも聞かれるがこの時点ではもらえない。
私がラッキーだったのは、受付でJICAの方と一緒になったことだ。彼らに給食がないこと、帰りは自力で帰らねばならないという情報を貰えた。自分でもスタッフに荷物預かりについて聞いてみたが、種目別に荷物預かりの車があると聞けたのは大きかった。スタート地点もJICAの方と確認し、前日にしてようやく情報が揃った。結局受付に2時間もとられてしまった。

天気

なおメディカルチェックの写真を見て分かる通り、受付の日は雨が降っていた。調べてみると、10月のコロンボは月間降水量がおよそ360mmもある。

スリランカの気候と天気 | 地球の歩き方

この日は1日で100mm降ったと言われても驚かないレベルで土砂降りが続いた。気温は東京の夏ほど高くはないが、湿度がかなりあった。

いざスタートへ

当日の朝起きてみると雨は降っていなかった。予報は悪かったので期待していなかったが安心した。同じ宿に泊まったインドバンガロールのエンジニアと一緒にスタート地点へ向かった。今回私が泊まった宿はこちら。

受付もスタートも近く、何より宿のオーナーがとても親切なので強くおすすめしたい宿だ。食事はないが、徒歩5分の位置に24時間営業のガソリンスタンド隣接の食料品店がある。余談だがそこから少し先にはとても評価の高いスリランカ料理のレストランもある。

スタート地点はBMICHの「近く」としか情報がなかったが、幸い私はすぐに見つけられた。私がおすすめの宿とスタート、受付、周辺施設の位置関係を以下に記した。あくまでも2018年大会の情報であり、この大会の運営レベルを考えると、今後も同じとは考えない方が良いかもしれない。

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つづきはこちら

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オスロトリプルはおすろしい<その3:ハーフ&10km>

その2はこちら

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ハーフマラソン

ハーフの最終ウェーブのスタートは14:00だったが、最終種目のことも考え、私は13:55にスタートすることとした。

会場ではクリスティーナ・アギレラの"I just wanna feel this moment"の歌声が響く。


だが私が感じているのは疲労感だけだ。フルのゴール直後に比べたらかなり回復した感覚はあったが、正直どこまで走れるのか全く想像がつかなかった。

スタート前にはお決まりのダンス。

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周りのランナーたちはノリノリでこれに合わせて踊っている。だが私は同じものを朝見ているし、そもそもそんなダンスをする体力すら惜しい。

スタート直後、やはり足が重い。フルと同じ5分/kmで行ければ最高だと思っていたが、それは望むべくもないことがわかった。最初の1kmは5分20秒。このペースですら最後まで行ける確信はない。なによりこれからあと20km走るということを考えるだけで気が滅入った。

最初の登りで、「私はここをついさっき2周してるんです。ここで登ったあと、線路沿いを走って、公園に向けてまた登ります」とでも叫びたい衝動に駆られた。これが経験者がブログで語っていたトリプルの孤独なのか。

まさに前途多難なレースであったが、最初の登りを脚を止めずに登り切ると、下りは快調に走れた。その後の平坦でも予想以上に走れる。どこにこんな力が残っていたのかと、何度も自分で自分に驚いた。

ハーフの参加者は恐らく1万人近くいる。遅いランナーを次々とかわすうちに、気持ちも少し乗ってきた。リズムも出てきた。スタート直後にこの好走は想像できなかった。

最後の登りも、ここが最後の登りだ(10kmコースはほぼ平坦である)と言い聞かせ、なんとか力を振り絞れた。最後はあとちょっと頑張ればトリプルテントへ戻って休める。それだけを思って走った。

フルに続きラストスパートをするランナーに抜かされながらのゴール。こっちはスパートをする体力はとてもない。タイムは1時間53分。上出来である。

ゴール後2つ目のメダルを首にかけてもらい、三度トリプルテントへ。ようやく孤独な戦いの場から離れられた。他のランナーを見て、安堵感を感じた。みんな孤独な戦いをしていたんだ。あと10kmだねと、励まし合う。10kmの最終ウェーブまでの時間はおよそ45分。もう完走は見えた。

テントではフルの後と同じようにゼッケンを付け替えて補給。フルの後の補給ではあまり意識していなかったのだが、この日は晴れていたため、相当の水分が失われていたはずである。ようやくそのことに気づき、とにかく水分を取りまくった。ここまできて、脱水症状でリタイアはごめんだ。

10 for Grete

10 for Greteの名称の10kmレースも最終ウェーブから5分前の組でスタートすることにした。スタート前にはおなじみの踊り。もちろん周りはノリノリ。私は一人疲れた顔でストレッチ。

この日3度目のスタート。脚はやはり重かった。だが、もう登りがないと思うだけで気持ちは楽だった。

さすがに10kmの後ろのウェーブはペースが遅い。みんな6分以上のペースだ。「私はトリプルのランナーなんです。道を開けてください」とでも叫びたいところだったが、やはり叫ぶ元気はない。

あのアップダウンのコースを63kmも走ったんだ。あと10kmじゃないか。疲れてはいたが、精神的には前向きな良い状態だった。

ふとトリプルテントで他のランナーが発した言葉を思い出した。「景色を楽しめなかったって?じゃあ最後の10kmくらい楽しまないとね。」そうだ、私は翌朝すぐにオスロを発つのだ。オスロの街を走りながら目に焼き付けないと。

そう考えるととても良いコースなのだ。海沿いのヨットハーバーを抜け、レストラン街を抜け、大きな客船の前を通り、最後は石畳の歴史を感じる街並みだ。応援も熱心だ。

最後のゴールは嬉しさがこみ上げた。サブスリーを達成したときのように、達成感に溢れた笑顔でゴールできた。10kmのタイムは51分、トリプルのトータルは6時間13分であった。

ゴール後、女の子がトリプルの特別なメダルを首にかけてくれた。彼女は大勢のフィニッシャーの中から、僅かなトリプルランナーが帰ってくるのを待っていてくれたのだ。その子が天使に見えた。

10kmのメダルももらい、4度目のトリプルテントへ。みんな健闘を称え合っていた。誰彼構わず握手した。トータルタイムの差はあっても、10kmのスタート時間はそれほど違っていなかったため、みんな近い時間でゴールしてきたというのも良かった。次々と達成感に満ち溢れた笑顔が戻ってきては握手。ああ、ここに来て、このチャレンジをして良かったと、心から思えた。

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終わりに

まずこの記事を見て、オスロトリプルに興味を持った方へのアドバイスを。他にはない特別な体験ができるのは間違いないので、日程や金銭面がクリアできるのであれば強くお勧めしたい。達成感ももちろん特別だが、自分の回復力を測る良い機会になると思う。

次に私と同じように迂闊にもポチってしまった方へ。正直どう走るのが正解なのかはペースと回復力に左右されるので、全くアドバイスができない。上位を見ていると、ある程度フルで力を出してハーフは落ちる傾向が見える。ただ、中位には3種目でビルドアップしてる記録も見つかる。これもオスロトリプルの難しさであり、楽しさであると思う。

トリプルの仲間たちには感謝を改めて伝えたい。ノルウェー語がわからない私にみんな本当に優しくしてくれた。19,000人の大会で孤独な戦いをして、彼らと達成感をともに味わえたことは、私の人生の大きな財産になった。

最後に、ノルウェーに来るきっかけを作ってくれた大学時代の友人家族に感謝したい。滞在中の様々な面倒を見てくれただけでなく、わざわざ泊りがけでオスロまで応援に来てくれた。おかげで特別な体験ができた。

Takk skal du ha!

オスロトリプルはおすろしい<その2:フルマラソン>

その1はこちら

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 戦略

オスロラソン2018の各種目のスタート時間は以下の通り。

フル:9:25~9:35

ハーフ:13:30~14:00

10km:16:15~16:35

各種目ともウェーブは5分毎で、トリプルのランナーはどこのウェーブからスタートしても良い。ネットタイムが有効タイムとなる。もちろんフルは第1ウェーブからスタートすることとなるが、その場合ハーフの最終ウェーブのスタートは、フルのスタートから4時間35分後である。そしてハーフの最終ウェーブでスタートした場合、10kmの最終ウェーブまでの時間は2時間35分である。ある程度力を使ってでも早くゴールして休むか、休憩時間が短くてもレースで脚を使わないようにするのか、この辺の選択も難しいところだ。

なお余談だが、私はこのルールをいつからか勘違いしてしまい、すべて第1ウェーブでスタートしなければならないと思い込んでいた。他の参加者と会話しているときに、この勘違いを指摘され、大変助けられた。ノルウェー人はみんな英語が堪能なので、とにかく他のランナーとよく話すことが肝要だ。

トリプルテントへ

この記事によると、オスロラソンの参加者は約19,000人で、トリプルの参加者は115名だ。これだけの規模の大会で、わずか115名のためだけの専用テントが、スタート地点とゴール地点に挟まれる形で設置されていた。テント内は混雑していたが、自分のスペースを確保して落ち着くことができた。

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周りのランナーを見ると、流石に鍛えていることがよく分かる速そうな人たちばかりだ。特に女性のチャレンジャーは色々な大会で会う顔見知りと見えて、互いに久々の再開を喜ぶような姿がよく見受けられた。このレースを完走できる走力がある女性は、間違いなく市民ランナーとしてはトップレベルだ。

トリプル専用テントには補給食や飲料、エネルギー剤なども充実していた。

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また、エアロバイクやマッサージ用具もあり、トイレも2基用意されている。私もスタート10分前にトイレに行き、最後の補給食を取ることができた。

しかもそれでいてスタートには横から割り込むこともできるのだ。

第一種目フルマラソン前半

 私のフルの戦略は、5分12秒/kmでハーフを走り、余裕があればそこから上げていくというものだった。いつもなら前をかき分けて混雑を回避したくなるスタート直後も、今回は急がないので落ち着いて入れた。

すぐに3時間半のペーサーに抜かされたのだが、その直後に日本語で話しかけてくる方が。東京からの参加者で、海外マラソンの経験も豊富とのこと。日本代表ユニで走った効果が早くも出た。

3時間半で走る予定というその方を見送り、しばらく3時間半のペーサーの後ろで様子を見た。ところがペーサーを意識しすぎた結果、完全に3時間半グループの中に入ってしまった。ここから落とすこともできたが、良いリズムで走れていたため、そのままグループの中でレースを展開することを選択した。

普段の私はペーサーの力を借りることも、グループで走ることも好まない。しかし今回ペーサーに合わせたペースが自分の気持ち良いペースであったため、結果的にほぼ最後までペーサーについていくこととなった。

人数が多いので給水だけは混雑して困ったが、よく言う「他人の力を借りて走る」ということが今回初めてできたと思う。ちなみに給水は水とスポーツドリンク、給食はバナナがあった。私は使わないので問題なかったが、スポンジはなかった。

このコースは前半と後半に大きなアップダウンが控えている。これがこの大会の難易度を上げているのだ。

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フルであれば2周なのでこの難所の登りが2回ずつだ。どちらもおよそ60mの高低差があるのだが、後半の方が傾斜がきつい。

もちろんペーサーも上りではペースを落とし、下りではペースを上げる。今回はそのペースが私にあっていた。

フルマラソンゴールへ

最後5kmくらいで、ペーサーを離れて前に出る数人のグループができ、私は調子に乗ってそこに着いていってしまった。しかし、最後の上りでは足が重くて急激にペースダウン。最終的にサブ3.5ペーサーとほぼ同時にゴールできたものの、脚を使い切った感じがあり、全く余裕がなかった。フルのタイムは3時間29分。

他のランナーがメダルを受け取って奥に消えていく中、トリプル参加の私は事前に言われたとおり、メダルを受け取ったら引き返してトリプルテントへ。

テントではすでにフルを終えたランナーが次に向けて備えていた。

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スタート前に全体に向けたノルウェー語の注意点を英訳してくれた優しいランナーと話していたら、冒頭の大きな勘違いに気づいた。私はいつからかハーフの最初のウェーブ、即ちフルのスタートから4時間5分後にスタートしなければならないと思っていたが、実際は4時間35分後の最終ウェーブまで自由に選べると教えてもらった。

私の場合、インターバルが35分だと思っていたのが、最大65分になったのだ。結果的にこの30分の違いが大きかった。

インターバルの時間でウェアを替える人も多かったが、私はゼッケンのみの変更。足は炎症が起こっているので、靴紐を緩めて少しでも楽な状態にした。そしてとにかく補給。そこまで食欲はなかったが、エナジーバーやバナナ、パンを半ば無理やり食べた。

とてもハーフを走りきれるとは思えないが、エネルギー補給は大事である。

 

その3はこちら

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オスロトリプルはおすろしい<その1:レースまで>

フルマラソンを走り終えたあとにすぐ次のレースを考えるなどということは、ごく一部の意識が高いランナーのすることだと思う。だが参加者全員がそれを考える、おそらくは多くがフルマラソンを走りながらも次のことを考える。しかもその「次のレース」のハーフマラソンは1ヶ月後でも1週間後でもなく、1時間後とか10分後とかにやってくるのだ。更にハーフマラソンが終われば今度は10kmのレースが用意されている。

そんな馬鹿げたチャレンジがオスロトリプルである。

 

 きっかけ

大学時代のサークルの友人が結婚してノルウェーに移住し、以前からまあ難しいだろうと思いながらも、遊びに行きたいねなんて話をしていた。それが現実味を帯びたのは、海外マラソンに参加するようになり、見知らぬ土地でのマラソンに興味を持つようになったからだ。

友人から3月に来日するので会いたいと連絡をもらったとき、ふとノルウェーでマラソンなんて面白いのではないかと考え始めた。候補の大会として、オスロラソンを見つけたのは比較的すぐだった。しかし、ハーフのコースを2周するというコースプロファイルが気に入らず、当初はあまり乗り気ではなかった。同じ週末に開催されるヘルシンキのマラソンは海沿いを走るコースで、こちらの方が魅力的に映っていた。

友人にマラソンを絡めてノルウェーに遊びに行きたいと伝えたところ、快く歓迎してくれた。友人が住んでいる街の場所、日程、日本からのフライト条件などを総合的に考えると、どうもオスロが都合が良いことが分かった。周回コースはつまらないけどまあ仕方ないと思いながら参加を決めたのだが、オスロラソンのサイトを見ていたときに、迂闊にもそれを見つけてしまったのだ。

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Oslo Triple???

オスロトリプル

オスロトリプルとは、オスロラソンで設定されている3種目、即ちフル、ハーフ、10kmの合計73.3kmを1日で走るというものだ。

これに興味を抱いてしまった私は、まずgoogleでこのレースのレポートがないか探してみた。そこでたどり着いたのが、アメリカ人の方が書いたこのレポートである。

レースレポートとしてはかなりの完成度で、内容がまた面白くて本当に楽しい記事なのだが、この中の一文がとても胸に刺さった。

I didn't want to get there and regret not signing up(会場に行ったとき、エントリーしなかったことを後悔したくなかった)

なお、まさか日本語のレポートがあるとは思わず、見つけたのが後になったが、こちらも面白おかしくレースの様子を描いた秀逸なレポートで、大いに参考にさせてもらった。

私は2年前にロードのフルで勝負すると決めて以来、なるべく海外でもフルに専念したいと考えるようになっていた。しかしながら今回は好奇心と、アメリカ人ランナーの「後悔したくなかった」の言葉に抗うことは出来なかった。私は愚かにもトリプルをポチってしまったのだ。

参考までに、私が支払ったオスロトリプルのエントリー費用は1,995ノルウェークローネだ。およそ27,000円、保険やTシャツを足したら3万円を超えた。参加費はエントリーするタイミングによって異なり、2018年大会の場合、2017年12月31日までが1,595kr、2018年3月31日までが1,995kr、それ以降は2,495krであった。

事前準備

この大会の開催は9月15日である。例年の私は、9月最終日曜の越後湯沢コスモスマラソンをロードの開幕戦としており、ピークを11月の大会に持っていくようにしていた。しかし今年に限っては9月の時点である程度走れる体にしておかないと、とてもオスロトリプルを成し遂げることはできない。そこで今年は近年避けていたトレランに挑むことにした。6月に試走会と大会を1度ずつ、7月には50kmの大会を入れた。

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6月の試走会と大会の後は強烈な筋肉痛に襲われたが、7月の50kmの大会は自分としてはかなり走れたほうで、筋肉痛もさほど来ず、確実にオスロのアップダウンに対応する体になったことを実感した。

しかし7月、8月の週末の悪天候は誤算だった。この期間に2回か3回テント泊の登山に行きたかったのだが、1回しかできなかった。また、お盆期間中に計画した女峰山〜男体山のトレランは、出発の朝にハイドレーションの漏れが見つかり断念することとなった。

ロードのトレーニングは勿論こなしたが、やや不安を残すこととなった。

オスロトリプル一週間前の9月9日に前哨戦として八ヶ岳ロードレースというハーフに出たものの、タイムは全く伸びず、トレランで作った筋肉は落ちており、筋肉痛もかなり来た。この結果に不安がさらに膨れ上がったのは言うまでもない。

レース直前

コペンハーゲンや、友人が住むトロンハイムを経由して、オスロについたのは前日の夜だった。受付はオスロに住むという友人の親戚に代理でお願いした。

今回の宿はドミトリーだがスタート地点から徒歩5分。宿泊費はおよそ5,000円。同じ部屋の宿泊客はみんな朝が遅くて気を使ったが、物価の高いオスロ中心街でこの価格は助かった。食べ物も高いので、朝食の充実ぶりを考えると、本当にお得な宿であった。

レース当日の朝食は宿のビュッフェでパンを中心にカーボローディング。朝食を終えて外に出てみると、天気は見事な晴れ。

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すでに交通規制が敷かれた中スタート地点に向かうと、すぐにトリプルランナー専用テントが見つかった。

筋肉痛はなんとか消えている。体調も悪くない。あとはやるだけだが、どれだけやれるかは全く想像がつかなかった。

その2はこちら

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ソウル国際マラソンレポート

時間が経ちましたが、先週のソウル国際マラソン遠征がなかなか楽しかったので、久々にブログにまとめてみたいと思います。

 ソウル国際マラソンとは

ソウル国際マラソンは3月下旬に韓国ソウルで開かれる、IAAFゴールドラベルの大会です。ゴールドラベルなだけあり、招待選手のレベルも高く様々な国からエントリーされています。地理的に近いこともあり、男女とも日本から招待されている選手もいました。

後述しますが3月のソウルは気候がとてもよく、コースも平坦なため、タイムが狙える大会です。

エントリー

エントリーは日本事務局を通す方法、そして英語サイトから申し込む方法があります。PCからの閲覧の場合、左上で言語を選択することが可能です。

http://seoul-marathon.com/

日本事務局を通すメリットは、日本語でのサポートが受けられることと、Aブロックからスタートできることです。一方英語サイトから申し込むメリットは、参加費の安さです。日本事務局では1万2千円かかりますが、英語サイトだと50,000ウォン≒5,000円で申し込めます。

私は英語サイトから申し込みました。英語で申し込む場合、韓国での携帯電話番号と、もうひとつ韓国語の選択肢があります。不明だったので下の画像を用いて事務局に問い合わせたところ、電話番号はデタラメで良いとのことで、Paper record applyの韓国語の選択肢は"아니오"を選ぶようにとのことでした。おそらく紙の記録証がいるかというこなので"No"を選べということなのでしょう。

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 また、メールで記録証を送ることで、ブロック分けで考慮されます。エントリーが済んだら記録証をメールで送りましょう。詳細は失念しましたが、2年以内のIAAF主催大会の記録が有効だったと思います。また、メールの宛先は問い合わせの宛先で良かったはずです。私はメールの確認をしなかったために、最後尾のブロックに回されました。

不安であれば、記録性は受け取ったかと念押ししたほうが良いです。

受付

支払いまで終わったあとは、公式ホームページにお世話になることはもうありません。ゴールドラベルの大会ですが、英語ページは全くの手抜きです。受付の場所だけ覚えておきましょう。

受付会場はゴール会場でもある蚕室総合運動場です。

空港から電車を使う場合、金浦空港から地下鉄9号線で直通です。仁川国際空港からの場合は、金浦空港まで電車移動となります。また、仁川国際空港からは6006番のバスも直通です。私はバスを使いましたが、渋滞があったため、時間的には地下鉄と大差なかったと思います。仁川国際空港からの場合、電車であれば4,350ウォン、バスであれば14,000ウォンです。なお、交通カードT-moneyは電車バスコンビニで使えて大変便利な上、割引もあります。短い滞在でも持っておくと良いでしょう、

受付会場ではエキスポをやっていますということになっていましたが、とても小さな規模でグッズの販売もアディダスがあるだけです。

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Package Pickupに公式サイトの"Confirm&Payment"で確認した情報とパスポートを見せると参加賞、ゼッケン、プログラムが渡されます。

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日本事務局を通した場合は、日本事務局専用のテントに行きましょう。

スタート

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スタート会場は光化門前です。荷物トラックの締切はスタート30分前ですが、余裕を持って預けたほうが良いでしょう。

私は最後尾のEブロックだったため、殺伐感はありませんでした。しかし、前に並んでいても割り込みはあります。海外マラソンではあるあるですが、スタートは時刻ピッタリではありません。また、ABブロックのあと、Cブロック以降はウェーブスタートのような形となり、せき止めを喰らいました。私はEブロック前方で、結局スタートから20分でスタートラインにたどり着きました。

レース

スタートはさすがに混雑が激しいです。コーンでコース幅を狭めているところがありましたが、それは完全に無視されていました。これは最も混雑するスタートでこのような措置をとった主催者側のミスだと思います。

Eブロックでも力のあるランナーはそこそこいたようで、一緒にすり抜けを行った結果、私は最初の2kmをそれぞれ5分でこなすことができました。

この大会は目標タイム10分刻みでペースメーカーがいます。やはりペースメーカーの周りは人が多く、そこをパスするのが特に大変でした。

給水は十分にありました。どこの給水所も前に水、後ろにポカリという並びでした。給食も20kmでバナナとチョコパイが出て、それなりにエネルギー補給ができました。

途中、横断する市民に2度ほどぶつかりそうになりました。日本ではアスリートの邪魔をしてはいけないという文化がありますが、ここは海外。ぶつかって転倒させたら大変なことになるので、十分注意が必要です。

コース自体はほぼ平坦で、コース図を見ると折返しが多いものの、日本でよくあるヘアピン折返しはなく、全てコの字型のためとても走りやすいです。この日は曇で気温も8度ほどで風もなかったため、絶好のマラソン日和でした。

スタートブロックが後ろにならなければ、ベストタイムを狙える大会だと思います。

ゴールはオリンピックスタジアムにあります。マラソンゲートからスタジアムに入り、陸上トラックを半周というのもなかなかできない体験です。

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ゴール後にメダルを楽しみにしている方も多いと思いますが、なんとこの大会ではビニールのパッケージに入った状態で渡されます。なんとも味気ないです。

まとめ

ソウル国際マラソンは海外マラソンの入り口としてとても良いのではないかと思います。日本からとても近いため経済的で、空港からのアクセスもとても良いです。そしてタイムが狙えるコースです。特に土日しか休めないけど海外マラソンを楽しみたいという人には、これ以上適した大会はないと思います。

参考までにこの大会と同じ日には台湾で新北市萬金石マラソンがあります。

新北市萬金石馬拉松

この大会で海外マラソンに目覚めた人、もっと海外の洗礼を受けたい人は、次の年は台湾へというのも一つではないかと思います。

ウラジオストクマラソンに出てみよう<その2:レース編>

事前準備に関連する記事はこちらです。

後編はレースについて、時系列で注意点などを書いてみました。

 レース前

シャトルバス

シャトルバスは受付会場の中央広場から出ます。時間は6時から8時で、フルのスタート地点までおよそ30分でした。バスはフルもハーフも5kmも一緒のバスです。バスに乗り込んだ後、英語で最初のストップが5km、次のストップがフル、最後がハーフとのアナウンスがありましたがこれは要注意です。スタート時間がバラバラのため、私のバスには5kmの人がいませんでしたので、最初のストップがフルのスタート地点でした。私は仲良くなったロシアの方に教えてもらいましたが、「私は42kmなんだけど」とアピールして周りに聞いた方が良いです。アナウンスが無かったという体験談もありますので、いずれにせよアピールが大事です。

スタート地点

2017年はDNSを除いたフルの参加者が220人だったため、スタート地点の混乱はほぼ皆無でした。したがって時間を持て余しました。私はレジャーシートがあったので座って時間をつぶせました。レジャーシートはお勧めアイテムです。

仮設トイレは合計5基だったため、最後の方は少し列が伸びました。残念ながら手洗い場がなかったため、私は給水の水を手洗いに使いました。

荷物は受付で渡された布のバッグに入れるよう指定されていますが、それを守っていない人も見受けられました。荷物預かりのトラック前に荷物を持っていくと、荷物にラベルが貼られ、自分のゼッケンにも同じ番号のラベルが貼られます。当初ラベルは事前配布となっていましたが、現地対応でした。人数が少なくみんなが早く荷物を預けるので、早目(少なくとも20分前)に締め切られました。

レース

スタート

5分前くらいまで変な踊りのような体操をやっててゆるい感じです。

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一応ブロックはありますが、管理は適当です。そもそもブロックの立て札の間隔がかなり狭いのでほとんど意味がないです。220人が4ブロックですから・・・

スタートは9:00ちょうどだと思っていましたが、9時04分50秒くらいでした(笑)また、スタート前に練習したのか暴発したのかピストルが突然鳴って「えっ?」となりました。そしてスタート本番ではピストルは鳴りませんでした(笑)

スタート直後から混雑がまったくなく快適に走れますが、最初が下りなのでスピードの出し過ぎに要注意です。

前半

前半はルースキー島を走ります。ひたすら森の間を貫く大きな道路を走り、たまに軍や大学の大きな施設があるという感じです。一般の住宅はありません。アップダウンは一つ一つは大きくないものの結構あります。

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応援者はほぼ皆無です。

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軍人さんや見習いの生徒がよく歩いていますが、勿論応援はありません・・・

7km地点くらいでハーフのスタート待ちの方とスタッフに熱い応援を受けますが、そこを過ぎると再び静かになります。なにせ参加者が少ないため、ハーフの参加者をキャッチするまでは孤独な戦いが続きます。

ロシアではフルに挑戦するのは本気の人で、それ以外の人はハーフに出るようです。したがってゆっくり完走できれば良いやという人は同じペースの人が少ないため、特に孤独を味わいます。またコースの案内も少ないため、コースアウトの危険性もあります。2017年大会ではサブファイブの方でもコースアウトしそうになったと言っていました。

後半

サブフォーくらいのペースだと、ハーフの後ろのランナーを次々捉えていくこととなります。ハーフの後ろは初心者が多く、給水で止まる人が多いので注意しましょう。

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30kmポイントを含む長さ3,100mのルースキー島連絡橋がこの大会のハイライトのひとつなのですが、まずここに来るまでにアップダウンで足を使います。景色を楽しみながら一気に下ると、ここから最もハードなアップダウン区間が続きます。30kmで足が残っていないと残りは歩く羽目になります。

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最後の大きな橋、金角湾横断橋を渡ると、今度は急傾斜の下りとなります。足を使った中での下りですので、これも注意が必要です。

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一部隣を走るケーブルカーのこの傾斜に近い部分もあります。これを下りきるとあとはほぼ平坦です。

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ゴール地点は街のメイン通りとも呼べるところなので、人はたくさんいます。が、あまりマラソンには興味が無いらしく、応援はしてもらえません( ;∀;)ゴールに到達するとようやくスタッフの温かい拍手に包まれます。

ゴール

ゴールすると、42.195kmではなく、42.2kmのメダルが貰えます。これは貴重ですね(笑)

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荷物預かりのテントの横では軍人さんが食事を振る舞ってくれています。軍では定番のカーシャというものです。私は残念ながらいただけませんでしたが、軍の炊き出しは特に美味しいそうです。

レース全般

コース

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GPSデータからルートラボで作成した大まかな高低差です。これは実際よりギザギザが細かすぎるように思いますが、このマラソン最大の特徴はとにかく高低差にあります。ウラジオストクは坂の街なのです。中心部の一部が平坦ですが、他はどこに行っても坂が有ります。マラソンコースも例外ではありません。

上の図を見ると後半、特に30kmを過ぎてからの山ははっきりしているのがわかります。30km過ぎからの坂はひとつひとつの高低差も大きく距離も長いため難易度が増しています。

給水

給水はたっぷりありますがスポーツドリンクがめちゃめちゃ薄いです。また、給食はバナナが前半から用意されています。水と同じカップにレーズンが入っていたということもあったようですので、注意ください。

2017年大会のエイドの位置は以下の通りです。5km, 10km, 14km, 18km, 23km, 28km, 34km, 36km, 39km, 41km。

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給水ボランティアはとても献身的で、水やスポンジを持ってきて手渡してくれます。

ペースメーカー

サブ3.5、サブ4、サブ4.5のペースメーカーがいます。サブ3.5のペースメーカーはペースが乱れがちで最終的にサブ3.5を逃していました。

気候

 2017年大会は、夜中に激しい雷雨がありましたが、スタート時はスカッと晴れて、寒さは全くありませんでした。レース中盤~後半は暑さとの戦いでした。天気予報に関しては体感的にtenki.jpの予報がほぼ正しかったです。風はありましたが弱かったです。

レベル

トップが2時間24分ですが、平坦なら2時間20分を切るタイムでしょう。賞金も出るのでトップのレベルは高いです。サブスリーは10人もいないので、サブスリーをすればトップ10です。

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こちらが2017年大会のタイムの分布です。タフなコースでしたがサブファイブの率が高いです。ある程度のシリアスランナーが多いように感じましたが、データからもそれがわかります。

総括

私の結論から言うと、お勧めの大会です。お勧めのポイントをまとめると以下になります。

  • 日本から近いのに異文化の中でのマラソンが楽しめる
  • 橋の上からの景色がとても綺麗
  • 9月開催だが危険な暑さになる確率が低い
  • 人数が少ないおかげで混乱がなく、サービスも行き届く

ただし以下のマイナスポイントがあります。

  • アップダウンがきつい
  • 沿道に人がほぼおらず、いても応援してくれる人はいない
  • ランナーも少ないため単独走となる区間もある

2017年大会は、日本人参加者がフルとハーフを合わせてわずか12名でした。とても良い大会だと思いますので、これが参加を検討する際の一助になれば幸いです。

今回の記事を書くにあたって、2017年大会に参加した方々に推敲、情報提供、写真の提供をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。